「子供は親を選んで生まれてくる」
こんな言葉を言われたことがあります。なんだかトンデモというかスピリチュアル的というか微妙な概念ですが、もはや定説ぐらいの勢いで広まっているようです。しかし私は正直その言葉を言われた時、ぞっとしました。自分が親から精神的・肉体的虐待を受けていたからです。
虐待のもたらすものは”闇”であり、様々な精神疾患や犯罪を引き起こしています。
アメリカの凶悪犯罪者、特にシリアル・キラーに関しては、遺伝的要因もあるが幼少期の虐待が原因、その2点の条件が揃って初めて犯罪を引き起こすとのことでした。
私自身も、人に心を許せるようになるのが難しいし、一人のほうが気楽です。
虐待や中絶などはどう説明するのか
子供は親を選んで生まれてくるという説、なんと本まで出版されています。著者は産婦人科医だそう。・出版社からのコメントより
お母さんの胎内にいたころの記憶や、生まれる前の記憶を覚えている子どもたちは、じつは意外にたくさんいます。そして興味深いのは、子どもたちは「自分で親を選んで生まれてきている」ということ。たとえ病気や事故、虐待など困難な人生であってもまた流産や死産で無事に生まれることが叶わなかったとしてもそうなることを知りつつ、それでも子どもたちはどうしてもお母さんに会いたくて、必死で生まれてくるというのです。産婦人科医の著者が調査した、胎内記憶や誕生記憶、過去生の記憶、一度死んで生まれ変わるまでの中間生の記憶など母子の証言から胎児〜新生児の心の世界が見えてきます。また胎児のいのちのも生まれてからのいのちも同じ尊さをもったいのちであることを真摯に受けとめられる書です。
むしろここから広まったのでしょうか。著者本人も世界に広めたいらしいですし。
しかも「胎内記憶・前世記憶」「経皮毒」をテーマに講演しているそうですが、「経皮毒」自体も研究結果が無く根拠のない話で、著者自体の倫理感が疑われます。
著作の「胎内記憶」ですら十分な研究結果とは言えず、ただ感想や親から言い聞かされた言葉を集めただけのように思えます。
そして流産や死産、中絶で生まれてこなかった子供に、話を聞くことは出来ません。
虐待を受けている子供にこんなことを言ったら、もし選べるなら別の家庭のほうがよかったと言うに決まっています。
不妊治療や子供ができなかった人には単なる暴言
こんな言葉や本が流行るのは、育児で大変な親の救いになるからだろうと思いますが、不妊治療でなかなか子供が出来ない人、または子供が出来なかった人に「子供は親を選んで生まれてくる」と言ったらどう思うでしょうか。自分は選ばれなかったのだと思うし、親としての資格がなかったのだと感じてしまうと思います。
私としては、このような妄言を研究結果として発表すべきではないと思いますし、本も出して欲しくないです。
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