不妊治療を受けている身からすると、驚愕であり恐怖を感じるニュースです。
なんと、不妊治療クリニックで死亡事故(というより事件)が発生していたとのこと。
「不妊治療死亡で書類送検 医師3人、業過致死疑い」
記事によれば、2016年11月、北九州市の「セントマザー産婦人科医院」で不妊治療として全身麻酔をかけた女性会社員(当時37)の卵管を広げるために子宮内に大量の空気を送り込んだ際、一部が血管に入り、同年12月に多臓器不全で死亡させた疑いとのこと。
事件における「通気治療」のいろいろな疑問点
この事件の治療について、以下のような文章が書かれていました。県警によると、当初は卵管形成手術をする予定で、全身麻酔後に卵管の詰まり具合を検査したところ、詰まりが確認できなかったため、院長が「手術の必要はない」と判断。その後、担当医が空気を送り込む「通気治療」を施したという。立ち会った医師は行為を止めなかった。これって、子宮卵管造影検査のような検査のことですよね。子宮卵管造影検査は確かに痛かったですが、クリニックにもよるのでしょうが、全身麻酔まで行う必要はないと思います。
同医院では以前から、約30~40ccの空気を送り込む通気治療をおこなっていたが、担当医は数百ccの空気を入れたとみられる。担当医は「卵管を少しでも通しやすくして不妊を解消したいという思いだった」などと供述している。
引用:日経新聞
前段階の検査で手術の必要はないと言っているのに、通気治療で通常の10倍以上の空気を送り込んだようです。
ただ専門家は通気治療で一般的な炭酸ガスではなく、空気を使ったことを疑問視する。日本生殖医療研究協会の荒木重雄会長は「空気を大量に入れて通りを良くする治療はない」と指摘。そのうえで「体外受精が普及した15年ほど前からは、通気治療自体が減っている」と言う。しかも大学から派遣された医師が別の医師の立会いの元、炭酸ガスではなく空気を使ったと考えると、患者は医師の練習台になったのではないかと疑ってしまいます。
引用:毎日新聞
そう考えると、全身麻酔の最中は何をされているかわからないのが怖いですね。
患者は同意書に書かれている以外のことや、実験台、練習台にされてもわからないのです。
不妊治療事故の再発防止に向けて
技術が進んだ今、全手術の記録の保存は容易だと思いますし、ROMに焼いて患者に渡すことも可能です。どんな手術であっても、全身麻酔の場合、会話の録音や撮影等しておくように法整備を整えることは出来ないでしょうか。
患者は医師を信頼しているからこそ、医療現場は、それくらい慎重で開示的であって欲しいと思います。
我が子を産みたくて、不妊治療に通い自分の命を落としてしまうことになった女性、さぞ無念だと思います。
私のような不妊症で悩んでいる人間からすると、不妊治療に対する補助金制度が見直されるのではないかという不安や、将来的に不妊治療の医師が減るのではという危機感を覚えます。
不妊治療に唯一の希望を持っている人、期待している人は数多く居ます。今後、このような事故が起こらないよう願うばかりです。
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